“たのうえ先輩がSFの面白さをひとしきり語ったあとこう締めくくった。
「こんな12時過ぎにね、新宿のホームではこれだけの人がいてさ。それだけでもうサイエンスじゃない。女の子はほら、お尻を左右にプリプリ振ってさあ、男はまあ、もさもさと相変わらず歩いてて、その人たち全てに生活があって、これからも生活がある。でも、それを全て俺らは知ることが出来ない。その辺はもうフィクションでしょ。かぶらぎ君」
僕はスマホをいじる手を止め、おざなりに辺りを見渡した後、はあと相づちを打った。”
—–「午前零時の可視光線」より
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