現代口語短歌 21首書きました!
控えめでなく最高と言ってくれ 世界は水を欲しがっている
一日がとても長くに感じたら 自分や誰かを愛したから
一日がとても早くに感じたら その日を愛し愛されたから
誕生日 マルをつけてはみたけれど この日生まれた記憶はないし
寒いとこ恐れ入ります あと少し気温を少し連休なんで
お涙を頂戴してる映画だろ 早く受け取れ悔しい今日の
蝉の声 電線の網かいくぐり 部屋のカーテン揺らして消える
コロナ禍で捨てたマスクに火をつけて 星をめがけて天燈をして
クワガタがゼリーを食んで夏を見る 背中が映す7月の雲
文月暮(ふづきく)れ レコード回し缶ビール テレビで花火 出前来るまで
駐車場 肩と肩とがあと5mm 火の玉ひらり線香花火
点々と 沈黙をする表現が 空にいくつも深々と降る
素うどんとホットドッグが惹かれ合う カルチェ・ラ舌で出会うべくして
長く居て情が湧きそうになったわ 熟れたバナナのような奴。夏。
しょうがない 大抵それで済ませてた 冷凍庫には凍った生姜
訪れる字余りみたいな明け方と 字足らずみたいな真夜中と
打ち上げに打ち上げ続け午前二時 ビールは泡を噴き出し宇宙(そら)へ
真っ暗なトンネルにようこそ猫よ 早く入って寒いんだから
人生の半分過ぎた手を眺め 豆腐の上のザーサイを噛む
シリウスと名付けておけば会えてたな 毎年冬に夜空を撫でて
祖母の手で猫が溶けてる縁側は グアムのような自由な光
この記事へのコメントはありません。